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納まり検討が足りていない場合

前回はLGS+石膏ボードの壁に対して、床コンクリートの段差をどこに設定すれば良いのか、というあたりの納まりを考えてみました。
考え方をひとつずつ整理してみると、別にそこまで難しい検討が必要ではない、という事が分かってくるのではないかと思います。

・まずはランナーが流せる(=LGSが立てられる)

・コンクリートを下げる必要がある範囲は守る

・段差が後で見えないようにする

これらの条件を考えていくと、床コンクリートの段差位置はどこが適切なのかが見えてくることになるはずです。
ひとつひとつは決して難しくないけれど、色々な要素が絡むことがあって、ちょっと複雑で細かく感じてしまう事があるのは確かだと思います。

ただ、こうした細かい部分の納まりを意識しておかないと、後で割と地味に困った状態になってしまうので、それを避ける為にも検討をしておく必要があるんです。
今回はそのあたりの「結果として検討が足りなかった場合どうなるのか」というあたりについて、ちょっと具体的に考えてみることにしましょう。

今回話題にしたような検討はそれ程難しいものではありませんが、例えば時間がなかったり、LGSの納まりについての知識がなかったりすると、適切な判断が出来ない場合もあります。
そうした状況になってしまうと、もしかしたら「とりあえず壁芯で段差にしておくか」みたいな判断をしてしまう可能性もあります。

しかし実際に断面図を描いてみると、壁芯で床コンクリートに段差を設けるのはとても中途半端な状態だという事がすぐに分かります。

LGS芯で床コンクリート段差を設けた場合

ただ、コンクリートを打設する際には、段差の位置がここで良いのかの判断をする事が難しい、という話があります。
まだ床コンクリート上にLGSの位置を出している訳ではないので、確認が図面上でしか出来ない状態になっているので、これは仕方がない事かも知れません。

コンクリートを打設してしばらく経ってからLGS工事が始まる事になり、実際にLGSのラインを床コンクリート上に墨出ししてみて、そこでようやく問題が発覚します。
墨出しというのは、床コンクリート上に墨でLGSのラインを実際に線で引いていく事を意味していて、LGSだけではなく様々な工事で正確な位置を出す際に用いられる方法です。

LGS墨出しの一例

上記のような感じでコンクリートの上に二本の線を引いていくと、高い側と低い側に線が引かれることになって「何これ…」という話になってしまいます。
通常はこの墨に合わせてランナーを流していく事になるのですが、もちろんこのままランナーを流すことは出来るはずもありません。

高い側のコンクリートを少し削る、もしくは低い側に少しだけモルタルを塗る、などの対応が必要になってしまいます。
もちろん墨出しをした直後にすぐLGS工事になる訳ではありませんが、LGS工事を開始するまでにやっておくべき作業が増えてしまう訳です。

コンクリートを削る場合にはその為の工事が必要になるし、モルタルを塗る場合でもそれは同様で、LGS工事が予定通りに進まなくなる可能性が高くなるという話になります。
もちろんこうした対応をする事によって、最終的には納まる事になる訳ですけど、その前に余計な手間が掛かってしまうことに。

もちろん手間がかかるという事はコストがかかるという事を意味しています。

最初から適切な納まりで床段差を設定していた場合と、今回の例のような間違った位置に段差を設定した場合とで、最終的な納まりは全く同じになります。
ただしそこに至るまでに、コンクリートを削るとかモルタルを塗るなど、最終的には見えなくなる部分で余計な手間が掛かってしまうことに。

こうなると、建物を建てる際の利益がどんどん圧迫されていく事になるので、最初に出来るだけ適切な納まり検討を進めた方が絶対に有利です、という結論になる訳です。

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