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塗り床の特徴と納まり

塗り床(ぬりゆか)というのはその読み方の通り、床コンクリートに直接塗料を塗っていくという考え方の床仕上材になります。
一口に「塗料」と言ってもその種類は様々で、求められる性能を満たすことが出来るように、色々な種類と性能を持った塗り床が用意されています。

床仕上材のグレードとしては、床コンクリートに何かを貼っていくのではなく、直接塗っていく考え方になる訳ですから、それ程高いグレードではありません。
例えば地下駐車場とか機械室など、コンクリート素地では少し困るけれど、長尺塩ビシートを貼る程ではない、というような部屋で採用されることが多いです。

「塗り床」という呼び方の他に「防塵塗装(ぼうじんとそう)」と呼ばれることもあります。
これは、コンクリート素地の場合は表面がざらざらで常に埃っぽい状態になるけれど、防塵塗装を施せば少なくとも表面はつるつるになり清掃がしやすくなるという意味があります。

ただ、幾つかの呼び方を混在させて説明していくのはあまり分かりやすくないので、当サイトでは防塵塗装ではなく塗り床という表現を使っていきます。
塗り床の仕様は色々とありますが、色の選択肢自体はそれ程多くはなく、グレートか緑などが一般的な塗り床という感じで、見た目としては以下のような感じになります。

塗り床のイメージ

緑色も厨房などで良く採用される塗り床の色ではありますが、グレーが最も無難な色と言えるのではないかと思います。
上記を見て頂ければ、決して意匠的に力を入れたい場所に採用される種類の床仕上材ではない、という事が分かるはずです。

塗り床が主に採用されるのは、機械室とかPS・EPS(設備や電気の為のスペースです)などのあまり建物利用者の目に入らないような部屋になります。
もしくは地下駐車場で頻繁に車が通る場所とか、厨房で常にお湯が流されるとか、激しく床に負担がかかるような場所でも採用されます。

塗り床が持っている性能は商品によって様々ですが、その中には「毎日車がたくさん通ってもすり減りにくい」という商品もあります。
こうして耐久性の高い床仕上材が求められる場合には、長尺塩ビシートなどを選定することは出来ず、塗り床しかないということになる事も多いです。

塗り床の納まりとしては、床コンクリートに直接塗っていく事になる訳ですから、特に難しい納まりにはならない場合がほとんどです。
気にするのは床コンクリートに対して塗り厚がどのくらいになるのか、という部分ですが、床に段差が出来る程の厚さにはならないので特に気にしなくても問題はありません。

塗り床の納まり断面図

ただし塗り床の中には、塗り床の耐久性を高めるという目的で、床コンクリート打設時に同時施工するような商品もあります。
そのあたりはそれぞれの部屋で求められる性能を考えた商品選定をおこない、その商品に適した施工方法を選択していく必要があります。

その部屋に求められる性能を満たす為、塗り床の仕様は本当に様々あって、よくある性能としては以下のようなものが挙げられます。

・重量物走行耐性 : 大型倉庫などでフォークリフトなどが走行する場所

・熱水耐性 : 厨房などで熱湯が床に流される場所

・氷点下耐性 : 冷凍庫などで常時氷点下になる場所

・帯電防止 : 研究施設など

・防滑性 : 駐車場や歩道など滑りにくさを求められる場所

・弾力性 : スポーツ施設など人が走る場所

塗り床に求められる性能は主に上記のような感じになりますが、もちろん機械室やPSなどの部屋では上記のような高性能は塗り床は必要ありません。
そうした部屋に採用されるような汎用タイプももちろん商品としては用意されていますから、設計者としてはそれぞれの部屋に求められる性能を考えた選定をしていくことになります。

設計者としても施工者としても、それぞれの商品名と特徴を全部覚えておくなどして、商品に詳しくなっていく必要性はそれほど高くありません。
色々な性能が用意されていて、それぞれのシーンにあわせて商品を選定していけば良い、という認識で問題はないはずです。

商品を選定する段階になったら、カタログを調べていくくらいの認識で大丈夫でしょう。
と言うことで、塗り床についての話はこれで終わりにして、次回からは床コンクリートを下げておく必要がある床仕上材について取り上げていこうと思います。

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