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セルフレベリング材の納まりとは

現場で打設する床コンクリートの表面というのは、きちんと鏝(コテ)で均していく訳ですが、完全に水平にもっていく事は難しいという現実があります。
その為、床コンクリートの表面に直接張っていく長尺塩ビシートのような床仕上材の場合、表面の凹凸がそのまま床仕上材の表面に出てきてしまう可能性が高いです。

その為「セルフレベリング材」と呼ばれる材料を床コンクリートに流していき、表面を水平にしてから長尺塩ビシートを張ることで、最終的な見た目が非常に美しくなる。
…というような話を前回は取り上げてみました。

見た目が美しくなる施工方法であれば、積極的に採用していった方が良いのではないか、という考え方もありますが、現実はなかなか難しいところもあります。
実際にはセルフレベリング材を採用しないことになる場合も多いのですが、採用しない大きな理由としては以下のような項目が挙げられます。

・コストがかかるので採用しない

・工期がかかるので採用しない

・そこまで床の水平が求められる場所ではない

もちろんコストと時間をいくらでもかけて良い、という事になれば、建物が良くなる可能性がある事は全部試してみることになるはずです。
しかし実際にはそのような状況などあるはずもなく、コストの上限や建物が完成するまでの期限など、様々な縛りが設計者と施工者には課されます。

そうした条件を考えた時には「たしかにセルフレベリング材を使うと床仕上材の天端は綺麗に見えるけど、そこまでは必要ないか」という事になる訳です。
こうした考え方は、コストや時間に制限がある中で建物として何が重要な項目かを考えた時に、もっと重要な部分が他にもあるということを意味しています。

設計条件にセルフレベリング材を使用するかどうか、というのは設計者が考える事で、建物の見た目を考えた時には入れておいた方が良いという話になることは間違いありません。
しかし施工者側として、設計図に記載されているけれど実際に全部の箇所でその施工をするかどうか、という問題はなかなか難しいところではないかと思います。

設計図に記載されているのだから見積りには入っているはずですが、果たしてそれが全部の箇所で有効なのかというあたりを考えてしまう訳です。
確かにセルフレベリング材を使用すると「水平と言うのはこういうことなのか」と思ってしまうくらいに床が平滑になります。

しかしその平滑が全ての箇所で必要になってくるかを考えると、その為にかける手間とコストに見合うものになるかどうかは判断が分かれるところでしょう。
かけるコストに対する見た目の変化とその効率については、工事段階の序盤に設計者と施工者で調整しておく必要がある項目ではないかと思います。

また、セルフレベリングを施工する場合には、その分の寸法を見込んでおく必要があるので、床コンクリート天端レベルは-10mmくらいに設定しておく必要があります。
それが鉄骨のレベルに微妙に影響を与えることにもなるので、セルフレベリングを施工するかどうかはある程度早い段階で決めておくべき項目だと言えるでしょう。

セルフレベリングを施工した場合の床納まり断面図はこんな感じです。

セルフレベリング材の納まり例

床コンクリートを下げれば下げるほど、表面の精度が悪くても後でセルフレベリング材でカバー出来る範囲が広がっていきます。
しかしセルフレベリング材を使用する量が増えれば当然コストが増えていく訳ですから、意味もなく大きく下げるのはやめておいた方が良いでしょう。

また、このセルフレベリング材というのは、流し込んで水平になるのだから当然の話ですが、床コンクリートよりもある程度柔らかい材料になっています。
大きな重量のある器具が行き来するような場所だと、ピンポイントで荷重がかかった時にセルフレベリング材が割れて床仕上材が沈んだりする可能性があります。

もちろんそこまで柔らかい床下地では商品として成立しませんから、家具など大抵のものであれば大きな問題になることはありません。
例えば重量がある医療機器が毎日行き来する場所だとか、商品を満載した大きな台車が毎日通る場所などであれば、ちょっとやめておいた方が良いかなというイメージです。

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